iOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」が遂に開校。それに先立って、スクールのベースとなるカリキュラム(「iOSアカデミア」のα版)を創設者山田卓(以下「ヤマタク」)直々のメンタリングで受講し、初学者からプロのiOSエンジニアとして華麗に転職を果たしたshuntaさんがご登場です! iOSアプリ開発を学ぶに至った経緯や、「iOSアカデミア」のα版を経ての変化などをくわしく伺ってみました!
プロフィール:
shunta(しゅんた):以下「shuntaさん」
元動物飼育員。チンパンジーの飼育経験あり。MENTAにてヤマタクと出逢い、約半年間のメンタリングを経て、初学者レベルからiOSエンジニアとして転職に成功。現在は転職先での研修中です。
インタビュワー
「転職はハッピーだけではない!」その理由
研修の日々、苦悩の背景は“歴然とした差”
―――早速ご登場いただきましょう!shuntaさんです!本日はどうぞよろしくお願いします!
shuntaです。どうぞよろしくお願いいたします。
―――まず、簡単に自己紹介いただけますでしょうか?
はい。僕は元々テーマパークでの動物飼育員だったのですが、2019年に退職して半年間模索期間を経てプログラミングと出会い、その後、半年間Swift言語を勉強して転職しました。現在はベンチャー系企業にiOSエンジニアとして勤めています。「iOSアカデミア」のα版は、MENTAでヤマタクさんと出逢い、半年間受講していました。
―――現在はご転職先での研修中ということなのですが、多忙ぶりを(ひそかに)伺っております。大丈夫でしょうか…?!
いやもう全然大丈夫じゃないですよ!(笑)ほんと毎日泣きそうになってます…
―――「iOSアカデミア」のα版を受講されていた期間と比較してどちらがキツいでしょうか?
圧倒的に今です。受講期間と比較すると100倍くらいキツいんじゃないかな!?(笑)仕方ないですけど、やはり実力とやりたいことの間に歴然とした差があってとても苦しんでいます。
―――転職は一つの成功例だと思うのですが…もっとハッピーなものではないのでしょうか…
確かに転職が決まった時は嬉しかったですが、不安や焦りの方が強いです。受講期間は開発なども自分のリズムでやれましたが、今は新卒と違い中途採用なので期待も大きいですし、ベンチャー系なのでスピード感がすごいです。そしてやはりiOSエンジニアなので成果物の納期などのプレッシャーがキツいです。
―――すみません、あえてちょっとポジティブなお話もお聞きしたいです(笑)現在、ご転職先でハッピーを感じる場面はありますか?
リアルにエンジニアの勉強をして成長したときには心が安定しますね。今の一番の不安材料はコードが書けないことなので、それが解消したときです。転職して以来漠然とした不安がつきまとっていますが、その不安を解消するには僕自身が実力をつけるしかないんですよ。
自らの成長が唯一の喜び
―――お休みの日はちゃんと休めていますか?
休みの日…休みの日か…。今はこのご時世もあり出掛けることもないので、勉強しています。あ、その時が一番気持ち良いかもしれない。休日には平日のように課せられたタスクはなくて、でもその休日に勉強している自分に対して「今成長してるわー」って!(笑)
―――なんかもう半分病んでるじゃないですか…!
僕元々不安症というか、ネガティブ思考になるところがあるんですよね。それで目の前のタスクに対して手が止まることはないですが、就活している時にも、「これいけるんかな!?」って思い続けていました。退職してから転職までにブランクもありましたしね。
動物飼育員からのジョブチェンジ
「動物は滅茶苦茶好き」、だけど…
―――shuntaさんは元々、動物飼育員としてお勤めでしたね。iOSエンジニアはかなり大幅なジョブチェンジだと思うのですが、ご転職のきっかけは何だったのでしょうか?
きっかけは大きく2つありました。
一つ目は、飼育員としてのキャリアに漠然と不安があったことです。漠然といっても、根拠はいくつもあって。まず、僕は小さい頃から動物飼育員になるのが夢で、大学での専攻も動物に関係するものでした。ただ、いざ飼育員になってみてわかりましたが、日本の飼育員のキャリアって“その先がない”と個人的に感じたんです。
僕はチンパンジーの飼育をメインで担当していたんですが、たとえば転職時にそのスキルが他の園で必ずしも通用するわけではないんです。子育てと一緒だと考えて頂くと分かりやすいと思いますが、同じ子育て方法がわが子以外、他人の子に使えるかどうかわからないですよね。つまり、技術の汎用性が低いという問題がありました。
次に給料の問題もあります。年数を重ねても給料が大きく上がるわけでもなく、先の理由から、転職市場につながるわけでもない。
そして最後に、仕事におけるイノベーションが起こりにくく、新しいことをやりづらいという問題もありました。僕は民間のテーマパークなので“総合職”というポジションで色々な部署や動物を担当しましたが、ルーティン化してきます。なにより日本では福祉や研究に対する基準が低いと感じていました。一飼育員としてそれを含めた動物業界を変えるといったことは体制的にも絶対に無理だなと思いました。
二つ目は、人間関係での悩みという苦痛です。同僚や先輩に何か具体的なことをされたということではなくて、僕自身が、職場に嫌いな人が居ると、それだけで一気に仕事全てが嫌になってしまうということに気が付いたんです。
僕、動物は本当に滅茶苦茶好きなんですよ、飼育員になるのは昔からの夢でしたし。でも、例えば職場に嫌な上司や先輩が居たら、それだけで “無理”になる…旅行自体は楽しくても、同伴者に嫌いな人が居たら楽しくない旅になってしまうのと同じです。だから今後人間関係が“無理”だった場合、そこから離れる手段が必要だなと思いました。
そして、これらの“飼育員を辞めるきっかけ”を解消できるものとして、エンジニアって良いな、って。
「エンジニア」という仕事の魅力と可能性
―――エンジニアの魅力について、当初shuntaさんはどのようにお考えだったのですか?
簡単に言うと、自分自身の選択肢を広げたかったんですよね。このままだと、組織に対して不信感を抱く場面がきても、結局その組織を離れては生きられず、そこに残るしかない。こういった行き詰まりの事態は、僕にとって最悪です。
その点、自分自身に“技術”や“社会的な価値”があれば組織や環境を変えて生きられます。そういうことが可能なものとして、エンジニアという職業にまず行きつきました。加えて、ITは飼育員と違い、動物業界にも応用できて、イノベーションも起こしやすいです。このような理由で、総合的に見て「エンジニアっていいな!」と思いました。
―――こうしてお聞きしてみると、動物飼育員とエンジニア、ほぼ真逆の環境という気がしてきました…!
ヤマタクさんとの出会いには“今”が最も助けられている
0からの個人開発では「楽しいことしかなかった」
―――エンジニアへのご転身を志した先で、“iOS”を選んだ理由は何でしたか?
iOSを選んだのは最初からです。これについては理由は説明できないんですが、どういうわけかWeb系は嫌だったんですね(笑)。それから、なんとなくアプリなら自分でもできそうだという印象を抱いたのもあります。
過去に動物系・環境系のアプリを作っている人を見て、「僕も動物の為にアプリ作りたい!」って(笑)あとはやっぱり、iOSは格好いいのでやってみたいなって思いました。
―――shuntaさん、開発の素養はおありだったのですか?
いえ、開発の知識などは全くありませんでした。最初はUdemyという動画の教材で1か月ほど学習してみて、アプリ開発の概要を掴んで、これも導かれたに近いと思うんですが、いよいよ本腰を入れてアプリ開発を始めようと決意しました。
でも独りでは無理ですし、教えてくれる人を探すことにして。そこでMENTAのサービスを見て、ヤマタクさんに辿り着いたという経緯ですね。
ヤマタクさんを選んだのは、正直に打ち明けると、サービス内での評価が圧倒的に高かったからです。他はもう、“運命”としか言いようがないです…(笑)でも、いざお話してみると最初からすごく丁寧にロードマップを提示してくださって、「やってみよう!」と思えました。そこから個人開発を含めて半年間、「iOSアカデミア」のα版を受講して、今に至ります。
―――初めての開発はどうでしたか?
個人開発で0からアプリを作っていくのは本当に楽しかったです。自分の好きなテーマですしApp Storeに並んだときはうれしかったですね。個人開発期間は正直、楽しいことしかなかったんじゃないかな。
―――完成されたのは「ZooGo」ですね!
『ZooGO』
―――最初からこれを作ろうと決めていらっしゃったのでしょうか?
“動物に関するアプリ”という部分のみ最初から決めていましたが、技術の部分については後付けが多いです。ただ、僕の場合は、当初からパッと見の印象の良いものにしたいと考えていました。
成果物として転職に使えることが肝心でしたし、触っていて楽しいものを作りたかったです。ティンダーでカードをスワイプするUI技術があるんですが、これ自分でもできそうだな!と思って取り入れたりとかしました。
「卒業生」としての関わりで得られた救い
―――「iOSアカデミア」のα版との出会いで、一番有意義だと感じたのはいつですか?
これ「iOSアカデミア」的にどうかはわからないんですが…転職した今が一番、やっていてよかったなと思いますね。個人でアプリ開発を最後までやり切るという点でももちろんサポートには感謝していて、それも大事ですけど、転職してからのメンタルケアは本当に素晴らしいと思います。
「iOSアカデミア」のα版を終えてから「卒業生」になり、就職して以降不安でどうしようもなかったので、そのような辛い時期にメンタルケアの部分で頼れるのが本当に有難いです。質問できたり、お話を聞いてもらったり、技術の習得プロセスについて相談出来たり…いや、本当にヤマタクさんは“メンター”です。ものすごく救われています。
―――皆さん仰るように、お優しいですよね、ヤマタクさん…(しみじみ)
そうなんです。そしてコーチングが素晴らしい方です。ご自身も1年で独学でiOSエンジニアとして独立されていて、僕の悩んでいる内容に対する共感性が高いです。滅茶苦茶キツいときに的確なアドバイスを下さるし、悩みに寄り添ってくださる。
目標達成したときには「素晴らしいですね!」と声を掛けてくださったりして、ご本人も意識されてやっていらっしゃると思いますが、こういった「承認」は勉強を続けたり辛い時に何かをやり続ける場面ではすごく大きな糧になりますね。
そしてヤマタクさんご本人が、いかに合理的に目標達成するかを常に考えていらっしゃるというのもよくわかります。「iOSアカデミア」としてはいかに“未経験から”成長するかという点にこだわっていらっしゃるし、僕がメンタリングしてもらい始めてからも、サービスを定期的に改善して、僕たちに都度共有してくださったりもしました。
―――「iOSアカデミア」のα版を終えて卒業生となられた今も、頼りになるメンターさんと二人三脚で歩めるのは心強いですね。
「自分の幸福の定義をつくっておくことが最も大切」
動物飼育員からiOSエンジニアへ!心境の変化
―――改めて、過去と今とのご心境についてお聞きしたいです。転職を果たしてみて、辛さも含めてどうですか?
心境の「質」が以前とはまったく違いますね。
飼育員のときには、仕事が理解できないといったことはありませんでした。飼育員なので、基本的な仕事の内容をわかりやすく言うと、掃除や餌やりがメインです。経験があれば誰でもできることです。
仕事が理解できないという感覚はありませんでした。でも、モヤモヤはしていました。心がしんどかったんです。「これをこの先30年もやるの!?」と思い続けていました。
サラリーマンって、仕事をやらない方が得だったりもするじゃないですか。動物のことはもちろん率先してやりますが、イベント業務や雑務などには、手を上げない方が得じゃないのか、って。でもそんなのおかしいなって。
エンジニアになった今は、とにかく「わかんない!」これがキツいです。勤務先も、実力主義ですし、いわゆる時給が発生した部分に対しては成果を求められます。
成果物がないと、仕事をしてないのと同じになってしまいます。なので、今自分ができることは何でもやって、いち早く成長したいと思っています。
shuntaさんの描く「幸福」と独自のキャリア形成
―――辛さやキツさもあるなかで、shuntaさんにとっての「幸福」はどこにあるでしょうか?
幸福の概念については、この4月末に東京に来てから大幅に変化してきています。新しい環境では価値観も変わりますし、かつては当たり前だと思っていた環境にも計り知れない幸せを感じるということがありますよね。
僕自身、以前は、自己実現を志したり「人間関係の苦悩から解放されたい」「力の強い人間になりたい」「自ら場所を選べるような社会的に価値の高い人材になりたい」と思っていました。
今でもそれを目指してはいますが、最終的なゴールとして自分の周りの人だけでも幸せにしたい、と強く思います。家族やたくさんの人が支えてくれていて…そういう人達を大切にできない人生には、意味がないなって。
エンジニアは可能性を感じるお仕事ですし好きですが、この業界には、小学生からコードを書いているような“天才”が居て、そういう人達と戦っていく必要があります。
しかし、26歳からプログラミングを始めた、僕は全く歯が立たないんですよ。だからポジションを考えていかなくてはならないし、幸せの定義というのは仕事の内容とは別でしっかりと持たなくてはならないと思っています。
だから、自分の生きやすさは大切にしながらも、最終ゴールとして大切な人達を幸せにできないとしたら、僕はエンジニアを辞めると思います。
―――深い覚悟が伺えて胸が熱くなってきました…shuntaさんが素敵な上司になる未来が見えます…そのようなポジションは考えていらっしゃいますか?
そうですね…僕の戦略としては、エンジニアリングをある程度極めてキャリアに自信が持てたり、自分にとって働きやすい環境を実現することができたら、いずれ社内でも「教育」に携わる機会を持てたら良いなと考えています。
―――「教育」というと、ヤマタクさんのメンターというお立場にも近いでしょうか。
方向性としては近いかもしれません。僕としては、社内で部下を持つならば「エンジニア×教育」という重要性を意識しつつ、新人エンジニアに寄り添える上司で居られたらと思います。
僕は人を信頼するまでにすごく時間かかる方ですけど、人を大切にしたいということは常に思っています。人の弱さとか、やっぱりわかるので…
自分の目標に向かっては努力することは大切ですが、出来ないことや頑張りきれないことは、べつに駄目なことじゃないんです。そういう人に寄り添いたいって思います。
ヤマタクさん対しては、やはりお世話になりましたし、恩返ししたい気持ちが大きいです。今こうして転職を経験したことでわかったものもありますし、僕と同じようにiOSエンジニアを目指す人に還元したいなって強く思います。今は忙しすぎるので、あと3か月くらいはアウトプットには着手できるかわかりませんけど…!(笑)
「iOSアカデミア」でiOSエンジニアを志す人へ
―――ぜひQiitaなどで記事にしていただきたいです。それに先立って、今後「iOSアカデミア」で学ぼうと考えていらっしゃる人や、プログラミングを学習しようとする人に向けて、何かアドバイスを頂けますか?
まず、ヤマタクさんはすごくお優しいのでぜひ安心して頼りにしてみてほしいです。
エンジニアリングの基礎については、やはり人から教わるものだけでは足らないことが殆どです。例えば、オブジェクト指向についての理解などもしっかりとできていないと現場ではかなりキツいです。
また、RxSwiftなど初学者では避けがちですが現場では普通に使います。基礎ではMVCモデルを使用しがちですが、実際に必要なのはMVVM…といったことだらけです。
学習コストやハードルが高い部分はどうしてもとばしがちになりますが、避けていたとしても、結局働く時間を削って後々学習する羽目になるので、常に先取りして行う方が良いです。
また、エンジニアとして成長出来るという点では、就職して実務経験を積むのが一番なのですが、僕個人としては転職前に半年よりももっと長い期間を設けておけばよかったなと思います。理由は、半年で転職市場において自分が得たい成果のレベルに達するかどうかという点が、かなり悩ましいと思うからです。
ポートフォリオはとにかく超大事です。凄いものを作る必要があるということではなくて、インデントチェックができるライブラリが導入されていて、コードが読みやすいものになっているかなど、ごく基礎的な部分の方が重要です。
会社の募集要綱で「こういう人が欲しい」と書かれているニーズの部分は早い段階から目を通しておくべきです。
それから、現在はエンジニアブームが来ていて、ただ純粋にコードが好きといった人はあまり居ないのではないでしょうか。僕もそうでしたが、きっかけは色々あれど、現実的なメリットを感じてエンジニアを目指す人が多い時代だと思います。
だからこそ、純粋な技術好きの天才たちと戦うために、工夫して勉強していくことと、やはり自分の幸福の定義をつくっておくことが最も大切だと思います。大変なことも多いですが、がんばってくださいね。
インタビューを終えて:
“何のために仕事をするのか”という問いについて、改めて考えさせられた回でした…shuntaさんには、これからのエンジニアとしてのヒューマニストの像が重なるようです。夢であった動物飼育員のお仕事から、生きやすさのため、そして身近な人を幸せにするという幸福実現の夢を抱き、今はエンジニアとして歩まれるshuntaさん。冒頭で苦悩を吐露される場面も印象的でしたが、自らがもがきながら道を見つける過程を経て、現在も絶え間ない内省と自己成長を続けていらっしゃるからこそ、人の痛みに寄りそい、手を差し伸べることが出来るのだと思います。今後、shuntaさんだからこそ築くことのできる独自のキャリアを実現され、ご自身や周囲に幸福をもたらされるshuntaさんの未来が楽しみでなりません。貴重なお話をいただき、本当にありがとうございました!
shuntaさんの
Twitter… https://twitter.com/shunta48768645
Qiita… https://qiita.com/shunta01
iOSエンジニアになりたい方に向けて
またiOSエンジニアを目指すための無料相談も開催していますので、興味のある方はお気軽にお問い合わせください!
監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています