元面白法人カヤックのエンジニア、現no plan株式会社CEOが語る、モノと仲間づくり
今回は、元面白法人カヤックのエンジニアであり、フリーランスを経て現在no plan株式会社代表でいらっしゃるおかむーさんがご登場です!多数の受賞歴をお持ちのアイデアマンでいらっしゃる秘訣、開発の魅力や、それに伴う仲間づくりとの深い関連、今後会社の代表として目指される組織作りの方向性、iOS独自の面白さなどについて、詳しく伺ってみます!
プロフィール:
岡室 庄悟(おかむろ しょうご):以下「おかむーさん」
面白法人カヤック、フリーランスを経て起業され、現在はno plan株式会社(no plan inc.)CEOでいらっしゃいます。
○賞歴
・飯塚アプリコンテスト「婚タクト」最優秀グランプリほか2賞
・MashupAward「FeelingCall」KDDIウェブコミュニケーションズ賞
・福岡ビジネスデジタルコンテンツ賞2015でMOVIDA JAPAN賞
・九州アプリチャレンジキャラバンで最優秀賞(作品賞)
・飯塚アプリコンテストで飯塚市長賞/ビットアイル賞 ほか多数
インタビュワー:
「カッコいい」がすべての動機に
―――早速ご紹介します!おかむーさんです!今日はお忙しい中ありがとうございます!
ありがとうございます!どうぞよろしくおねがいします!
―――突然ですがおかむーさん、今はシンガポール在住だとか…
はい、完全に思い付きで来ました(笑) 元々僕は東京でも友達の家を転々としてるみたいな感じの生活だったので、そういう居住地を決めない的なスタイルで…あとシンガポール在住っていうのがなんかかっこいいなと思って。人生もそんな感じで、かっこいいからiOSやってみた、みたいなのばっかりです(笑)
―――生きるフッ軽だ…。現在「no plan株式会社」CEOでもいらっしゃるおかむー様。これまでのご経歴について、簡単にお話頂けるでしょうか。
情報工学部を卒業してから半年ほどニートしていたんですが、一区切りついた10月あたりで、当時ご縁のあった面白法人カヤックの人事の方に「明日から行っていいですか?」とコンタクトを取って了解を得て、即日入社した感じです。
―――カヤックさんでは、どのような開発を?
それまでにiOSエンジニアとしてアプリ開発も一通り経験していたので、入社当初からサーバーサイドのアプリケーションを、iOSに限定せず作ってきました。
その後PMなど色々幅広い業務を任せてもらっていました。「面白いことやってください」っていう会社だったので、打ち合わせにも頻繁に顔を出してアイデアを出したり…楽しかったです。
―――直前の“ニート期間”と言うのも気になるのですが…
実は大学のころから起業意識があって、学生時代にはITサービスを開発してマネタイズするサークルの部長をしていたんですが、そこでの活動で一つ、結婚式向けアプリを作って導入してみるみたいなことをしていました。
やってみてちょっと無理そうだなと思ったのが半年あたりで、そのタイミングでカヤックに入社しました。
―――ぜんぜんニートじゃなかった…カヤックさんにご入社の後、フリーランスを経て現在の形に落ち着かれたのですね。
本当は速攻で起業したかったのですが、社会を一度経験しておこうと思い、カヤックで2年ほど実務経験を積んで、その後独立して1年ほどフリーランス、その後法人設立という流れでしたね。
「no plan株式会社」CEOとして
―――あらためて、「no plan株式会社」について、設立の経緯や想いを聞かせてください!
会社を作りたいとはずっと思っていましたが、専制主義というか、トップ一人が回りを統率してやっていくんじゃなくて、民主主義的に皆で決めて作っていく会社にしたいなと考えていて。「no plan」という名前も、設立当時の4人のメンバーで考えて出したものです。
―――事業内容についても教えて頂けるでしょうか。
簡単に言うと、ブロックチェーン・Web3周りを主にやっています。自社サービスと受託を半分ずつやり、受託で余剰資金を得ながら、それを自社サービスに全て突っ込むという。
現在は自社サービスを5、6本ほど走らせていて、それが当たるように模索している最中です。確率として自社サービスというのは100本打って1本当たれば成功くらいだと思っているので、今はまだ各サービスのスタート・撤退サイクルをどんどん早めていって、早めに100本中の1本にたどり着ければいいのかなというスタンスで、皆でやっています。
―――大学でのITサービス開発とマネタイズの経験は生きていますか?
めちゃくちゃ生きています。
実は、本業は学業である学生がプロダクトを開発してリリースするまでのモチベーションを保つのって、滅茶苦茶大変なんです。やらない言い訳がいくらでも作れる中で、どうみんなを結集させて一つのアプリをリリースさせるかをずっと考えてきました。目標を持たせるとか、賞金をみんなで分けようとか、僕の場合はもう、変なもの作って周りを驚かせようぜ、みたいな。
社会人になると今度はどうしてもお金を貰えればそれで良いという姿勢になりがちですが、それでは本来やるべきことがやれなくなってしまう。社会人になってお金がある中で、学生の時周りに持たせることができたようなモチベーションをうまく引き出す仕組みを作るという点は、非常に役立っています。
―――代表としてのこだわりも教えてください!
代表は、ある種ヘタレであるべきだと思っています。もちろん実際には広く浅く全てに関わって把握していますし、もしものときは任せろ!となりますが、基本的にはメンバー主体で動いてもらうことを意識していますね。代表がしっかりしすぎるよりも、ちょっと駄目なところがあってメンバーが「代表がああだから、俺たちで頑張らないと」となるくらいがちょうど良いんです。
それから、“代表”という形で一つの会社としての強固な信頼ができてしまうと、その信用を失えば会社全体が崩壊してしまいます。それぞれの社員がちゃんと強く結集していたら、その分壊れにくい強い組織が作れると思います。
社長って所謂「看板」だと思っていて、目立つようにこのヘアスタイルや少し奇抜な会社名を設定したり、どこか面白さを感じられる部分を出していくという、オーラづくりっていうのが、僕のやるべきことかなと。
―――計算に裏打ちされたユニークさがカッコいいです。
―――今後、会社をどうしていきたいと思われますか?
実は、将来的には会社という形をなくそうと思っています。現在DAO(Decentralized Autonomous Organization)という概念が流行っていますが、その一つの事例として僕達も先陣を切って成功モデルになることを目指したいなと。
DAO(Decentralized Autonomous Organization)とは?
日本語で「分散型自律組織」と呼ばれており、近年大きな注目を集めている組織体系。
DAOは一般的な株式会社などとは異なり、組織の代表者・中央集権的な管理者がおらず、参加者全員が平等であり、かつ誰でも自由にDAOの活動に参加できる。「株式」の代わりに組織の運営方針に対して参加者一人ひとりが投票を行うことができるガバナンストークンにより意思決定がなされます。
分散型自律組織DAOとは?今後の見通しや将来性を徹底解説! _ Market α(マーケットアルファ)
DAOの代表的なものに「ビットコイン」がありますが、その事例では「ビットコイン」が立ち上がった時皆で「すごい!」と盛り上がって、皆で開発して、皆で監視し合って、最初監視してた人たちがそのビットコインを保有していて、報酬としても回って、世界のためにもなっています。
これは、僕が尊ぶ民主主義のさらに次なんじゃないかと思うんです。会社ではどうしても会社にお金が入り、そこから何か会社の使い道を差し引いてメンバーに報酬を分け与える流れになりますが、DAOなら一人一人コミットした分の報酬を正当に分け合えるので、その点も魅力的ですし、目指す価値があると思っています。
開発・iOSの深い魅力とモチベーションの核
―――個人開発での受賞歴も華々しいおかむーさん。モノ(アプリ)作りのコツはありますか?
実はここに載せているのは、誰かと一緒に開発したものが多いです。なのでまずは他人を巻き込んで、既にある技術や便利なツールはフル活用しながら、とりあえず爆速でリリースしてしまうことですね。
もちろん一人で実装することもできますが、例えばデザインでいうと常に友人のブライアンって人に任せることが多いです。得意分野がある人を頼ることで、開発スピードも上がりますし、そこからリリースしたものを手直ししていくようにしています。
それから、自分達で欲しい・面白そうだと思えるものを作ることも非常に大切だと思います。且つ、多くの人に共感されるテーマだとマネタイズにも繋がります。
―――開発されていて、面白いと感じるのはどのような場面ですか?
モノがどんどん組み上がっていくという過程は、脳汁が出るほど面白いですね。魚釣りで釣れない時間も含めて楽しいように、創り上げている地道な時間、リリースする瞬間、ユーザーがつく時、Googleアナリティクスの数字を見ている時、実際に儲けが発生する場面など、各々のフェーズでワクワクできて、このワクワクが麻薬のように一旦やり始めると止められない感じになります。
―――おかむーさんにとって“iOS”の魅力はなんですか?
ほとんど初期から携わっているので愛着もあると思いますが、Swiftなどは良い設計だなと思っていて、言語的にも書きやすくて、とても好きです。イメージした通りにすべて作ることができる点も魅力的ですね。
それから僕は個人的に、Xcodeがすごく好きなんです。使いづらいという人もいますが、エディターのあのクセがある感じとか、すごく良いなって思います。
ニーズ面でいうと、日本ではiPhoneのユーザーが多いので、Androidと迷った時にまずはiOSでの開発を優先できる点も便利です。
―――先ほど、モチベーションを保つのが大変というお話もありましたが、おかむーさんご自身のモチベーションを支えるものは何でしょうか?
僕の場合は、複数人でモノを創り上げて完成に至る、そしてその先で仲間ができるというのがモチベーションの源になっていると思います。そうやってどんどん仲間を増やしてきましたし、これからもそうしていきたいですね。
創ったモノによって他人が幸せになっていくのも大きな喜びです。そういう延長線上に生活もあるので、僕の場合はもはや日々を生きていることがモチベーションに繋がっている感じはあります(笑)。
―――かっこいい…
―――最後に、開発された中で印象深いアプリを一つ教えてください!
僕の場合は恋愛系、マッチング系のアプリリリースが多いんですが、中でも『運命の出会いSNS-5時間だけシンデレラタイム-恋活・婚活』はユーザーの人生を変えたのを目の当たりにしたのもあって、今でも思い出深いアプリです。
簡単にいうと、童話「シンデレラ」になぞらえた物語で、19時〜24時の「5時間限定」でマッチングして時間がきたらマッチングが消えて女の子がガラスの靴を落としていくと、男の子はそこから更に課金して追加でメッセージのやりとりができるというものです。
「内面から好きになる」出会いをどうにかサービス化できないかと考えて、顔写真をあえてぼかして見られないようにして、最初の5時間の会話で相手の良さを探る仕様にしたのが特徴です。
リリース後、初期のユーザー獲得のために準サクラとして友人に無給で数名ほどお願いしていたんですが、なんとその中の二人が偶然マッチングした結果最終的には結婚に至るという衝撃的な出来事がありました。二人とも僕の友人、後輩だったのでとても驚きました(笑)。くわしくはこちらの記事で書いているので、興味のある方は読んでみてください。
『運命の出会いSNS-5時間だけシンデレラタイム-恋活・婚活』とは?
19時〜24時の「5時間限定」で運命が訪れる???
このアプリは3つの特徴があります。
▲1日1回無料で運命が訪れる
1日1回あなたに訪れる
「シンデレラタイム」が
特別な魔法をかけてくれます
▲シンデレラタイムは24時まで
19時〜24時の「5時間限定」
24時を過ぎると魔法が解けてしまいます
チャンスは5時間です!!
▲シンデレラ系は内面重視
「王子様とお姫様」が舞踏会で偶然恋に落ちるような
シンデレラストーリーが生まれる秘密があります
さあ、あなたも舞踊会に参加しませんか?
参考:運命の出会いSNS-5時間だけシンデレラタイム-恋活・婚活 by shogo okamuro
―――エピソードがおいしすぎます(笑)。
iOSエンジニアを目指す人に向けて
―――これからiOSエンジニアを目指す人に向けて、アドバイスをお願いいたします!
やはりiOSというのは、他に比べてクセが強く、今でも特殊スキルに分類されるのかなと思います。Apple独自の制限などもあるのでとっつきにくくて、ハードルが高いのは確かだと思いますが、そのぶんやれる人が少ない分野でもあります。
だから市場価値は確実にあり、習得しておいて決して損はないと思いますし、実際アプリをリリースしていくことでエンジニアとしての需要も爆上がりして、フリーランスとしても生きやすくなりますので、ぜひ頑張って欲しいなと思います。
―――成長のコツもお聞かせいただけますか?
実際にモノをつくってリリースするのが一番だと思います。リリースするまでにそもそも大量の知識が必要になりますし、そのぶん実践力がつきます。最初は、例えば電卓などのごく単純なアプリや、既に市場に出ているありふれたテーマを真似て作るというのでも大丈夫なので、とにかく作ってみることですね。
リリースしたアプリがあれば実績にもなって、採用の場面でも即戦力として見てもらえますしね!
―――会社の代表として、どんなエンジニアなら採用したいと思われますか?
うちの社風でもありますが、常にチャレンジを求めている人が良いです。何であれ自分で考えて、自分で挑戦を続けられる人…たとえばいきなり海外に行くとか、これまでとは違うことを始めてみるとか、僕みたいにシンガポールに移住するとか(笑)。受け身で居るのではなく、常に何かを追い求められる人を欲しています!
―――素敵です。本日はありがとうございました!
ありがとうございました!新人エンジニアの方、ぜひ頑張ってみてください!
インタビューを終えて
学生時代のITサービス開発やマネタイズ、面白法人カヤックでのエンジニアリング、フリーランスでの開発など様々な形態を経て現在は会社の代表として組織・モノ作りに邁進されるおかむーさん。どの活動でも、ご自身の感性と仲間を大切にされるご姿勢が印象的で、エンジニアリングと組織作りの関係の深さが伺えました。これからのご活躍から益々目が離せそうにありません。本日は、本当にありがとうございました!
おかむーさんの…
会社HP
iOSエンジニアになりたい方に向けて
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監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
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