今回は、アプリ開発未経験からiOSの勉強を始められ、個人開発でサウナのアプリをリリース、2022年にはiOSエンジニアとして正社員採用を勝ち取られた曽根原さんがご登場です!未経験スタートからのiOSエンジニアキャリアアップ秘話、多彩なご趣味を持ちながら常に“必要なことを継続する”ライフスタイル、今後の御展望などについて、詳しく伺ってみたいと思います!
プロフィール:
曽根原(そねはら):以下「曽根原さん」
プログラミング未経験から、2022年にはiOSエンジニアとしての転職に成功。個人開発ではサウナのアプリ開発も行われていらっしゃいます。サウナスパ健康アドバイザー/テントサウナオーナー/TOEIC820/日簿2級/世界遺産検定2級/日本、世界一周などの多彩なご趣味とご経歴あり。詳しくは本インタビューにて!
インタビュワー:
サービスエンジニアからプログラミングを独学
―――早速ご紹介しましょう!曽根原さんです!本日はよろしくお願いいたします!
どうぞよろしくおねがいします!
―――曽根原さんは、今年からiOSエンジニアとしてのキャリアを本格スタートされたそうですね。
はい、今年の2月に、iOSエンジニアとして今の会社に正社員で入社しました。それまではプログラミングを独学で勉強して、個人開発でサウナのアクティビティを記録できる『サレコ』というアプリをリリースするなどしていました。iOSアプリ開発を本職として開始したのは、就職してからです。
―――ホットな話題ですね!これまでは、どのようなお仕事をされていらっしゃったのでしょう?
新卒入社した会社は輸入機械商社で、そこで5年程サービスエンジニアをしていました。仕事内容は、機械の修理や納入といったような、ソフト寄り(開発系)というよりはハード寄りのものが多かったです。なので、開発に携わるのも、今の会社が初めてです。
―――これまでに学校やご趣味でプログラミングをされたことは?
ありません。iOSの勉強もまったくの初心者からスタートしました。
―――すごいですね!ご転職も一つの大きな転換と思うのですが、そもそもiOSエンジニアになろうと思われた動機や理由はなんでしたか?
元々、それまでの仕事を離れて別の業界に行きたいとは考えていました。特に、個人開発で作った『サレコ』のような、サウナや温浴業界に関する仕事や業界に行きたいなと思っていました。
―――なるほど!それでまずはサウナのアプリ開発に踏み出されたんですね。なぜiOSだったのでしょうか?
私の場合、技術が好きというよりも「Apple製品が好き」という部分が大きかったです。iPhoneユーザーであるだけでなく、iPodは中学の頃から使っていましたし、Apple製品全般にとても惹かれます。
だから、自分の作ったものがAppStoreに並ぶというのは、とても魅力的だなと思いました。同時に「アプリを作る」ということ自体にもずっと興味があったため、踏み出してみた形です。
―――プログラミング学習は、どのような流れで行いましたか?
最初は仕事を辞めて方向性を決めてから、本を買って某動画教材と同時に使いながら一人で勉強していました。転職をするまでにかかったのは合計半年ほどでしたが、現在も正直に言うとまだまだ自分の中では基礎も足りないと思っているので、メンター制度などを利用しながら学習を続けています。
―――大変な道のりではなかったでしょうか…挫折しそうにはなりませんでしたか?
独学している間は、ずっと辛かったです。転職を見越して退職していた時期だったので時間はありましたが、一度に何時間も連続では出来ない日もありました。でも、ペースを落としてでもひたすら開発を続けるということだけは貫きました。
個人開発でサウナアプリ『サレコ』をリリース
―――開発されたアプリ『サレコ』について教えてください!
『サレコ』は、AppleWatch専用のサウナ記録アプリです。サウナ、水風呂、休憩を1セットとしてそれぞれ時間と心拍数、サウナでは推定汗量を記録します。
「ととのう」という言葉が流行語にノミネートされるなど、サウナの新常識にもなりつつある今日、気持ちの良いサウナ、水風呂、休憩は施設、季節、自身の状態によって変化します。
サレコでは、時間や心拍数を記録し、最後にサウナ室の温度、水風呂の温度、外気の温度、ロウリュ、アウフグースの有無、ととのい指数等を入力します。
記録した情報を見ればどのようなサウナ、サウナの入り方が自分にあっているのか、より良いととのいに近づけるのかが分かります。時間や心拍数を基準にサウナに入ることで健康的にサウナに入ることができます。
(参考:「サレコ for Watch -サウナレコード-」をApp Storeで (apple.com))
―――開発されるにあたっての経緯や開発動機を教えてください!
少しお話しましたが、元々iOSアプリ開発の勉強を始めようと思ったのも、サウナの業界に転職したいなという思いからでした。
ただ、そういったサービスを自分で作るにはお金が掛かるということも知り、その中で何か出来ないかと考えた結果、とりあえずアプリなら出来ることもあるんじゃないかと思い、開発の勉強を始めたことがきっかけだと思います。
それで、前段階としてサブスクリプション検索を行うアプリ『サブスクサーチ』の開発を経て、『サレコ』の開発に踏み切りました。
―――開発者として、アプリの強みはなんでしょうか?
まずは、競合となるアプリが無いというのが一つあります。サウナ用のアプリは既にありますが、アプリの機能面でのアプローチでは、やはり独自性が高いです。その点では有利だなと思います。開発がひと段落したところなので、今後は改修していくのがメインの作業になるかと思います。
―――開発されてみての率直な感想もお聞かせください!
最初はやはり、本当に覚えることも多く、わからないことだらけで大変だったんですが、少しずつ自分のアプリ形になって完成していくというのは、本当にすごく楽しいことだなと思いました。
そして、実際それをリリースする工程や、他のアプリもそうですが、やはり売れたときもすごく嬉しいしやりがいを感じます。
―――開発の先でご自身の未来が開ける可能性があることを思うと、なんだか力の入り方も違ってきそうですね…!
“継続”でスキルアップ、iOSエンジニアの道を切り開く
―――他にも複数個人開発でアプリをリリースの後ご転職されたとのことですが、転職までの歩みもお聞かせいただけますか?
iOSアプリ開発を独学し始めてから半年ほどで、Wantedlyというサービスを利用する中で今の会社と出会いました。入社に至ったのは、ちょうど会社のタイミングに合っていたことが大きいと思います。あとは顔見知りの方がいたので安心して入社しました。
―――お仕事内容について、可能な範囲で教えて頂けますか?
会社のメインで行う事業は、会員数万人規模のiOSのライブ配信サービスです。私はそこでiOSの開発をメインに、サーバーサイドのコードも少しずつ触り始めているところです。
―――率直に、転職後のご感想を聞かせてください!
やっていてとても楽しくて、やりがいを感じているというのが大きいです。大変なこともありますが、今はそれすら楽しいです。そして一緒に働く会社の方々が本当に良い方ばかりで入社してよかったと思っています。
―――個人開発と比較して、開発の方法などはどう変わりましたか?
何もかもが変わりました。個人開発は文字通り個人で何もかもを決めて進めていくぶん自由ですが、今はチーム開発なので、複数人での開発作業がメインです。
また、求められるサービスや機能を自分達で考えて実装するというのは、個人で自分の好きなものを開発するのとは違う難しさがあり、同時に楽しさとやりがいを感じる部分でもあります。
―――今とくに頑張られていることはありますか?
技術を身に付けて貢献できるようにひたすらやるということです。もっと力をつけなくてはならないと思っています。
時間を無駄にできないので、通勤電車の行きでは個人開発を、帰りは読書をするようにしています。以前は電車の中でPCを広げるのに抵抗があったんですが、就職してから徐々に克服したと思います(笑)。
―――未経験スタートということで、想像を上回る大変さもあると思うのですが、曽根原さんがここまで頑張れるのはなぜでしょうか?現時点で感じられる、ご自身のエンジニアとしての強みはありますか?
何であれ、ずっと継続できるというところは強みかもしれません。前の職場では進んで勉強したいといった気持ちは全く湧かなかったんですが、エンジニアになってからは本当に毎日勉強したい気持ちでいっぱいです。それでずっと続けてられるのかなとも思います。
―――今続けていらっしゃることというと、個人開発などでしょうか。
個人開発を含め、開発の勉強全般です。少しずつであっても、1日も絶やさず毎日必ず続けるということです。例えばGitHubでは継続のバロメーターが見えるのですが、それを毎日見ながらメーターが増えるのを楽しく思っています。継続を目的としていたものがいつからか習慣に変わりました。
私自身、何かを続けるということが得意だとは元々思っていなかったのですが、前回転職の際に1年ほどずっと英語の勉強を続けた結果独学でスコア820を達成できました。
その時に初めて、「あぁ自分はこういう風に何かを継続して勉強することができるんだ」ということに気が付いたんですね。それ以来、何でもやろうと決めたことは継続を徹底しています。
―――先ほどは「今は大変なことすら楽しい」とおっしゃっていました。
もちろん、日々大変な思いはしているはずなんですが、それを「大変だ」と感じることはなくて…楽しさの一つかなと。
―――素敵!今は開発のどのような場面でやりがいを感じられますか?
一番は、作りたい機能を自分で完成させられた時や、何かエラーが出てそれを解決した時です。それから、今は私自身知らないことがたくさんあるので、何か新たに知識を得られた時、一つ一つを知ることができたときに、やりがいや楽しさを感じています。自分の成長と、プロジェクトの成長とが一緒なので、学んで成長していくこと自体が今はやりがいですね。
―――今後のキャリア目標についてお聞かせください!
アプリやサービスのような出来上がる成果物、提供できるものに興味があります。だからこそ、まずは技術を身に付けて、スペシャリストを目指す必要があると考えています。
技術をしっかり身につけた状態で、アプリの売上げなどマーケティングの部分も考えられるような、そんなエンジニアを目指していきたいです。
―――プライベートでのリフレッシュ方法はありますか?
やはり、ここ4、5年はサウナが好きで、よく行っています。旅行やアウトドア、温泉も好きで、サウナを目的とした旅行に行ったり、キャンプをしたり。最近は忙しいので、少し頻度は落ちていますが、また時間を見つけて行きたいですね。
駆け出しエンジニアに向けて、元未経験スタートからアドバイス
―――未経験スタートのiOSエンジニアさんの希望として、これからプログラミングを始める人に向けて、これまでやって良かったことをアドバイスお願いします!
最初は文法の勉強などは小難しくて続かない気がするので、実際にアプリを作ってみることに慣れるのをお勧めします。私は本や動画教材を見ながら、文字を表示するだけのごくシンプルなアプリとか、カウントアップするだけのアプリなど、最初からちょっとずつ積み重ねていきました。
もう一つは、同じ教材を繰り返すことをお勧めします。勉強していると、なぜか次々と色んな教材に手を出したくなっちゃうと思うんですが、同じ教材をもう見なくてもできるレベルまで繰り返しやることで、自分でもできるようになった気になってモチベーションが上がりますし、おすすめです。
私の場合は、自分で身についていると思えなかったのでやるしかなかったのもありますが、一番多くやった教材で、5、6周くらいしたと思います。
―――もっと早くやっておけばよかったと思われることはありますか?
学習中わからないことを聞ける人がいたら、もっと良かっただろうとは強く思います。序盤に環境構築など、自分で調べても何を言ってるのかさえわからない状況が続いて、投げ出したくなりました。そんな時に質問できる相手がいたら、時間の節約にもなっただろうなと。
私自身、最初数ヶ月は完全に独学でしたが、先述の某動画サイトのサービスで配信者に直接聞けるところに登録したり、メンターサービスなどで、それこそ「どういう風にアプリを作っているのか」といったような、場合によっては答える人が困る質問なども、疑問に思えば積極的に聞くようにしています。ですから、メンター制度などは、早めに活用することをお勧めします。
―――最後に、未経験スタートのプログラミング学習者、あるいは駆け出しエンジニアの方に向けてメッセージを頂けますでしょうか!
私のような未熟者がアドバイスするのは気が引けますが、一つ言えることは何事も決めたなら続けることが大切です。私も、続けることをやめていたらゴールには辿り着けなかったと思うので、どんな時もあきらめずにやり続けることです。
インタビューを終えて
「継続は力なり」。曽根原さんのお話を聞くと、この言葉が思い浮かびます。異業種からでも、プログラミング未経験スタートでも、努力と継続を積み重ね、個人開発でアプリリリース、iOSエンジニアへの転職まで成功され、今まさに新たなキャリアで輝こうとする曽根原さん。これから様々な技術やサービスに触れ、エンジニアとしてご発展されることを祈っております!未経験スタートの学習者さんへのアドバイスも、実践された結果の説得力あるものばかりでした。本日は本当に、ありがとうございました!
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監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています