画像処理の博士号を取得の後、楽天にてエンジニアとしてキャリアをスタートさせ、様々な領域でのご活躍を経て現在はiOSアプリ開発のエキスパートとして業界を牽引する崎山圭さんがご登場です!開発の楽しみはもちろん、「画像処理エンジニア検定エキスパート」に見られる特殊なご専門や、近年注力していらっしゃる講師業などについて詳しく伺ってみました!
プロフィール
崎山圭(さきやま・けい):以下「崎山さん」
大阪府立大学大学院博士後期課程で画像処理をご専攻後、博士課程修了。楽天株式会社にて楽天写真館サービスのiOS、サーバーサイドの開発をご担当。幾度かの転職を経て、.Net frameworkを用いた電機メーカーの基盤検査システムのアルゴリズムの研究開発、個人でのiOSアプリのリリース、ベンチャー企業にてiOSのカメラを用いた画像認識システムの開発、大規模webサービスのiOSとサーバーサイドの開発、自撮りSNSアプリや女性向けQAアプリの開発など、webに限らず様々なシステム開発をご経験。現在は株式会社The Chain Museumにて、iOSアプリの開発を担当されています。
インタビュワー
労働嫌いの画像処理エンジニア検定エキスパート保持者、崎山さん
「画像処理エンジニア検定エキスパート」の今
―――早速ご登場いただきましょう!崎山さんです!本日はどうぞよろしくお願いいたします!
はい、よろしくお願いします。
―――まず、自己紹介をお願いします!
28歳まで大学院で画像処理を研究して博士号を取得しました。現在は画像処理エンジニアの経歴も活かしながらiOSアプリ開発をしています。
―――ネットでプロフィール拝見しました。博士課程ご卒業後は、楽天入社からのエンジニアスタートでしたよね。最初からiOSをご専門に?
いや、僕の就活当時はまだiPhoneが出たばかりの時期だったので、求人で「iOSエンジニア」という枠はありませんでした。画像処理の博士号を持っていたので、楽天の「楽天写真館」というWebサービスで一応画像処理関連を任される形での入社でした。
楽天社内でもちょうどiPhoneアプリを作り始めようという頃で、開発は部分的に外注もしていたので、僕が外注先とやりとりしたり、ソースコードを見ながらその内容を上司に共有したり、といった業務でした。
―――それから幾度のご転職を経て、現在の会社に落ち着かれたのですね。
はい、今は株式会社The Chain MuseumでiOS関連の開発を全般的に担当しています。入社からは2年くらい経ったかな。社内には僕以外にもう一人iOS担当者が居ます。
―――開発されているアプリ「ArtSticker」についても教えて頂けますか?
アーティスト支援を目的としたSNSアプリです。
アーティストの作品に対してスティッカーという少額の支援を送ってアートについて語り合える目的でスタートしたアプリでしたが、僕がきてから美術館のチケット購入機能や音声ガイド機能、少額支援だけでなく高額の作品の購入機能など追加しまして、ずいぶん進化しました。
参画する前は専属のiOSエンジニアはおらずフリーランスの人が入れ替わり立ち替わりで関わっていたようで、良く言えば関わった人数分の知識が詰まっているし、悪く言えばあちこちごちゃごちゃしています。
そのせいで、サービスとしてはwebやandroidも対応していますが今もiOSアプリだけが毎度開発ペースが遅く、ちょっとずつソースコードの統一をさせながら、機能追加をさせています。
アプリとしては標準機能だけで実装されており珍しい技術はないのですが、一般的なSNS機能に加えて、位置情報の取得、課金処理、音声再生、画像合成などなど多岐に渡る実装に関われる楽しさがあります。
―――ありがとうございます!ArtStickerの詳細はこちらからご覧頂けます!
―――今画像処理の専門スキルは生かしてお仕事されていますか?
実はあんまり生かしてはないです(笑)僕が博士課程に在籍していたころは技術の転換期だったので、特に当時の知識は今もう使えません。
あと、最近は正社員として週3勤務しながら、余った時間でiOSアプリ開発を人に教える講師業を始めても居るので、単純に忙しくはなりました。
―――気になりすぎる!(講師業については後程詳しくお聞きします!)
企業体制で苦労も…“労働”はイヤ
―――大企業からベンチャーまで幅広いご経歴ですが、組織ごとの特徴はありましたか?
何社か大企業で働きましたが、どこも何かと企業体制で辛い部分がありましたね。たとえば、吸収合併で組織を大きくしてきたようなところではシステムが既に出来上がっていて迂闊に触れないんです。
コードを一行変えるのにも上長の承認が必要だったり、他部署に掛け合ったりで、非常にストレスでした。失敗して1日システムを停止させると何百万円の損失もありえるのでしょうがないことですけどね。
ベンチャーは、そういうことが少なくて個人的には気が楽です。僕、サービスが大勢の人に使って貰えているかどうかとか特に気にならないので…(笑)
―――(笑)崎山さんについて、開発は大好きでも労働はお嫌い、というイメージがあります。
労働…イヤですねー!(笑)
―――「社会に出たくない一心で博士課程まで進学」というWantedlyでのプロフィールも大変印象的でした(笑)
そうですね。というか、今でも社会に出るのはイヤです(笑)
妻がアプリを使ってくれたらそれで満足
―――一貫されていて気持ちが良いです(笑)労働はお嫌いながら、現在も組織に所属されながら開発を続けていらっしゃるのは、やはり組織なりの楽しみがあるのでしょうか?
一番は、独立すると事務手続きが面倒でやりたくないからです(笑)あとは、あとは妻に安心して家事に専念してもらいたいので。
―――奥様の話題、ひそかに気になっておりました!崎山さんからご覧になって、どのようなお人でしょう?
少し身体が弱く心配性な質ですが堅実で頼りになる人ですね。
専業主婦をしており家の中のことも家計も全て任せていて僕は自分の給料を10年間ずっと把握していませんし、進学で借りた奨学金の残金も知りませんし、自分のお茶碗もコップもどこにあるかも把握してませんでした。在宅で働くようになってようやくコップの位置は覚えましたけど。
結婚していなかったら、大学卒業後もあらゆる手を尽くして親のスネを齧り続けながらひとりで働かずに研究を続けてると思います。妻のおかげで辛うじて社会人の体裁を保てていますし、両親もスネを齧られなくて妻に感謝しています。
―――お仕事だけでなく人生の支え…!ベストパートナーなお二人のご様子を垣間見れて幸せな気持ちになりました…(泣)ArtStickerについては、奥様のご趣味が反映される側面も?
今はこの時期なので行けていませんが、二人で出掛けるなら美術館が多かったですね。気分転換で一緒に行こう、という感じで時々。まぁ、僕としては妻が僕の作ったアプリをたまに使ってくれれば、それで満足です。
―――何ですかそれ尊い…奥様、お使いになられますか?
いえ、あんまり使ってないです(笑)
―――ちょ…切ない!(笑)
iOSアプリ開発の魅力とこれから
信念はない、ただ「ちゃんと動くかな」を繰り返した末の今
―――博士号を取得された後、他にも様々な職業選択の可能性があったかと思いますが、崎山さんが「iOSエンジニア」という道を選ばれた理由を教えてください!
元々は卒業後、ゲームプログラマになろうかなくらいに考えていました。ゲームを作るのが好きでしたし、ゲーム製作会社に応募もしましたし一般的なシステム開発会社も応募しましたがどこにも採用されず、就活した言い訳も立ったし、いよいよ実家に引きこもるかなと思ったら楽天だけ内定が出ました。よほど人手が足りなかったのか人を見る目がなかったんでしょうね。
まだiPhoneが世に広まってもいなかった頃なので普通のウェブエンジニアとしての内定でしたが、そこから働き出すまでに完全にiPhoneアプリ開発で遊ぶようになっていました。
社会に出たくはなかったのですが、でかい会社ならそういう珍しい仕事(スマホ自体まだ珍しかったので)もあるかなと思って働き出しました。何か明確な信念があるわけではなくて、やり始めたら意外と楽しくてそのまま居ついた感じです。
―――「面白い!」…最も純粋な動機に思います。
iPhoneっていうモノがやっぱり面白いですよね。スマホアプリ作れたらまあいいかなって今も思っています。
―――すごくシンプルな部分で満たされていらっしゃるのが伝わってきました。時間を忘れて開発することもありますか?
ありますね。スマホアプリを作っていると、時間はどんどん過ぎます。今でも、気付いたら徹夜していたりとか…。ずっと同じものを開発し続けていると、時々気晴らしに別のプログラムをやろうかなと思ったりもしますが、それも合間、合間にやる程度になるので、結局時間を割いて作るアプリの方が楽しく思えます。
仕事として「これを作りなさい」と言われたらイヤな時もありますが、自分の好きな対象を自由に開発できるなら、スマホアプリ作りは楽しいですね。
―――素敵です。ちなみに、開発しているときはどんなことを感じながら開発されているのでしょう?
「ちゃんと動くかな」って…それだけです(笑)その先で想定した動きが本当に実現できた時は、完成した時でも、作っている途中でもうれしいです。
―――プログラミングの根本で歓びを得られるお人なのですね!そうすると、実装がうまくいっている時は常に楽しいですか?
そうですね。ただ、うまくいくといっても、ネットで検索して見つかる情報などは、もうあまり面白いとは思えないです。例えば「これやりたいな」と検索して、情報を見つけて実装して、本当にその通り動いたとしても、なるほどこういう仕組みなんだなと感心はしますが、想定通りというか、面白くはない。
そうではなくて、自分で「あれをああやって、ここをこうして、このようにプログラミングしたらうまくいくのかな」と試行錯誤しながら考えて、実際に動かして、それがその通りいくとやっぱりうれしいです。
―――冒険者…!お仕事では時間との戦いになる場面もありますか?
今は研究ではなく仕事で開発をやっているので、むしろあまり先のような問題解決に時間を掛けては居なくて、実際にはほぼ途中で見切りを付けます。折り合いつけつつ、所々で新しいものを導入したり、自分で考えていた方法なども、使う機会が来たら試してみるような感じですね。
まぁ、どのみちネットで見つけられないようなプログラムを書くと、ユーザビリティも悪くなるし、誰も見たことのない動きをすることになっちゃうので…新しい常識を作りたかったら、そもそもAppleのような大きな会社に行くべきです。
―――最先端を試すと現場のニーズからは離れるという…難しい!
開発における「大学」と「企業」、立場の違い
―――博士号取得にあたって、大学での開発経験もお持ちの崎山さん。“営利団体である企業”での開発と“教育・研究機関である大学”での開発の違いは何ですか?
例えば「JPEG」という画像の形式がありますが、あの仕組みをコンピューターの理論的なものをベースにして研究して作った人が、どこかの大学にいたわけです。そうして作った仕組みを企業が利益化するというような流れがあります。
別の例として、たとえば「味覚」は、現状文字や音のようにコンピュータではやりとりできないですよね。なので、どこかの大学ではそういう味覚の情報をコンピュータで送る仕組みを研究しているとは思います。企業では今すぐ利益につながらないものでも、100年後に価値があると判断されれば大学で研究されていたりします。
逆に、たとえばApple社という一企業の製品について、大学で学ぶことはありえません。それは専門学校でやることです。
―――大学と企業とで、開発できるものの範囲も役割も異なるのですね…少し余談になりますが、崎山さんは、大学でそのまま研究を続けようとは考えなかったのですか?
うーん…大学の先生になる道は自分でもなさそうだなと思ったんですよね。当時Windowsのソフトを作ったり、個人の趣味としてゲームを作ったりしていましたが、研究とは別で論文を書くのが非常に面倒臭かったです(笑)
研究しているうちは楽しいですが、自分で謎が解けて既にわかっているところを、その先で論文として仕立て直すことが、僕にはムリだなって。
―――ご自身の興味関心に常に忠実な姿勢、段々理解してきました(笑)
そうですね…イヤなことからは基本的にすぐ逃げるたちです(笑)
―――その先で崎山さんに選ばれ続けたのが「iOSアプリ開発」というのが一層感慨深い…
Web系は“無理”だった
―――そういえば崎山さん、かつて担当された際、Web系は自分に合わなかったとも。
あれはちょっと無理でしたね。WebのフロントならHTML, CSS, JavaScriptを触ったことはありますが、HTMLを習得するぐらいならもうひとつコンピュータサイエンス系で博士号を取る方が自分には簡単だなと思います。初学者の方々は、なぜあんな難しいことからやろうとするんだろうと不思議ですね。
―――お肌に合わなかったんでしょうか。
単純に興味が持てなかったのも大きいです。元々手元の機械でできることの限界を試したいので、HTMLを触れたところでブラウザというアプリの中しか制御できないことが面白くなくて。
―――対するアプリ開発では、他の分野と異なる魅力はありますか?
手元にiPhoneという不思議な機械があって、それを通して思い通りプログラムが動くって面白いなっていうところですね。Windowsのソフトばかりを使っていたので、当時新しさもあって、夢中になりました。
あとはiOSの場合、Webと比較しても環境構築がほぼ“無い”から楽です。Xcodeを落としたらそれで終わりという。Web系はその辺りやることが多くて複雑ですよね。iOSなら、環境を落としてから頑張れば3,4クリックで最初の“Hello, world!”まで行けますからね。
未来に期待するモノ
―――キャリア10年目を超えようとしている崎山さんから見て、現在アプリ開発を含めて新たな技術に触れて感動する場面はありますか?
最初のころはありましたが、今はあまりなくなりましたね。他の分野に行けば見つけられると思いますが、一般的なアプリ開発の基本は満足するまでやった感じはあります。ただ、以前snowに触れた当時は凄いなと思いました。無限に時間を与えられたとしても、これは作れないと。
―――画像処理における“黒船襲来”だったのですね。現在は、心惹かれる分野はありますか?
VR系をやりたいとは思っています。
Flutterも興味本位で触っていますが、やれることが増えないので現状いまいち楽しみが拡大しません。楽にはなるけど、楽しくはないというやつですね。やっぱり僕自身はSwiftに慣れ切ってしまって、それが一番やりやすいのでこの領域から離れられないです。今後サーバーサイドに再び関われば、それが新たなつながりを生んだりするとは思いますが。
―――プログラミング言語については、業界の動向で大きく変化する可能性もありますね。
そうですね。頭の良い人がフレームワークを作ってくれるのを待っています(笑) Rubyとかも、最初はまったく流行っていなかったのにデイヴィッド・ハイネマイヤー・ハンソンという人がRuby on Railsというフレームワークを作ってくれたことで爆発的に流行ったので、Swiftでもそういうこと起こってくれたらいいなって。
―――実現可能性は一旦隅に置いて、崎山さんが未来で発展して欲しいと思う技術はありますか?
iOSが急激に発展するのは多分厳しいですが、液晶などのハード面が発展すれば、色んな可能性が開けると思っています。
これは僕ずっと思っているんですが、伸び縮みする液晶が欲しいです!例えば、iPhoneは今この小さなサイズですが、引き延ばせればiPadとして使えたりもするじゃないですか。曲がる液晶は実用化されてきてますけど、うにょーんうにょーん、って伸びる液晶が開発されれば、また変わるのかなって思います。でも、僕が生きてる間にはちょっと厳しいかな…
駆け出しエンジニアへのメッセージ
講師として、高度な専門を持つエキスパートとして
―――講師業のお話に戻ります。現在正社員勤務の傍ら、個人でiOSアプリ開発を教えていらっしゃる崎山さんですが、現在の学習者にはどのような方が多いですか?
大体の方が未経験者です。あるいは、ネットで少し独学したり、入門書籍をとりあえず1冊終わらせたことがあるくらいの、ほぼ初学者レベルの方達です。
会社で未経験者でもいいから新人を採用しようとした時に、来る人来る人レベルが低くて…スクールで高い料金を支払って教えて貰ったのに、参考書の第一章の内容も知らない人などもよく出会うので、これはマズいなと思っていたのと、iOS系のスクールも少ないので自分でやろうかなと思って教え始めました。
―――iOSアプリ開発エンジニアのスキルが現状シニアと初心者で二極化しているとも時々耳にします。
どこまでが初心者でどこからがシニアだというのもありますが…確かに、iOSの勉強を5年以上続けている人は居ますが、始めてから2、3年目という人はあまり見ませんね。
最初はiOSアプリから入っても、プログラミングに慣れてきたらWeb系に移る人も多いです。なので、そもそもずっとiOSをやり続けるエンジニアというのがあまり居ないんだと思います。やっぱり飽きて途中で他のことをやりたくなるのかもしれませんね。Webの方が案件数も多いですし、iOSアプリ開発エンジニアの数自体現在それほど多くない印象ですね。
―――今後増えるでしょうか?
はい。ただ、エンジニアの人口が足りないと言われるのはあと10年ほどだと僕は思います。今子どもの世代が大人になる頃には、多分「エンジニア」という職業の希少性は高くない。義務教育を修了していればプログラムを書ける素養が身に付いているわけなので、“普通の”エンジニアだと淘汰されていくだろうなと思います。
これからは特に、流行の後追いをしていたらもう無理でしょうね。流行で人が増えた後に、次に足りなくなる分野は何か考えてそれをやっていかないと。
特に僕は他人より学習のペースが遅く他人と一緒にヨーイドンでスタートすると確実に大概の分野でビリになることは学生時代に学んでいます。そういう自分の特性を把握したうえで、自分を活かすには他人より早く走り出すか長く走り続けるか誰も走ってない方に行くしかありません。
―――崎山さんのように、たとえば画像処理などの「専門領域を持つ」エンジニアの方はどうですか?やはり専門領域があるとキャリア形成では強いでしょうか。
画像処理エンジニアもいますし、iOSエンジニアもいますが、画像処理の専門性をもつiOSエンジニアとなるとほとんど出会いませんね。
画像処理に関しては、一般消費者が目にするツールだとやはりPhotoShopなどAdobe製品の一強で、よっぽどの才能がないとこの分野でやっていける人はいません。少なくとも社会に出たくない一心で教授の言うこと聞いてただけの博士号持ち程度では無理です。
今日スマホを1から作ろうとする人が居ないのと同じで、当然のことです。アプリ開発となるともう少し参入の余地があったりしますが…いずれにせよエンジニアなので本来は“モノを作って実力を示す”必要がありますけど、どうせPhotoshop以上に凄いものを作れるはずもないのでそれは諦めています。
キャリアとしては、講師業の時の信頼性には影響すると思います。実際その知識で仕事をする機会が無くてもスキルの証明になったり、「箔が付く」というのもあります。
あとは、ベンチャー企業では事業資金を集める際投資家に対してアピールする材料になったりと、重宝されたりします。「画像処理の専門化がいる」ということで、外部からの信用を得られたりもするんですね。
―――そうなると、今後一層、エンジニアとしては自分の専門領域を持ったり、技術を独自で深堀していくことが大切になりそうですね。
そうですね。かなり深いところまで学べるエンジニアじゃないとやっていけないんじゃないのかなって思います。
駆け出しの人にアドバイスを!勉強の方法など
―――現在iOSアプリ開発初心者の方や駆け出しエンジニアの方は、まずどのように勉強したらよいでしょうか?
新しいことをやるのに迷っていても仕方がないので、良いから早く何かやれば?って思いますね。
―――わー、厳しい厳しい!(笑)手始めに何をやるべきでしょうか?
僕が始めた頃には本しかなかったというのもありますが、まずは本屋に行って一冊買って、そこからやるのが一番だと思います。やっぱり本は一番情報が詰まっているので、独学者にはおすすめです。
あとは、今回“iOS専門”のiOSアカデミアさんができるということなので、これが良いスクールになってくれたら僕もうれしいし、助かるなぁと思います。講師業も、「僕自身がエンジニアを育てたい」よりも「iOSエンジニアが増えたら良いなぁ」という思いでやっているので。
―――勉強する際のコツはありますか?
研究ほどではないですが、エンジニアの勉強は業界の変化が激しいので、コツが出来上がっていかないんですよ。コツが出来上がる頃にはもうそれが使えなくなります。
だから、コツが出来上がるのを待つよりも、早く行動して技術をアップデートする方が良いと思います。この過程が苦痛だと、エンジニアという仕事自体向いていないかもしれません。
―――厳しさの中に愛を感じる…最後に、これからエンジニアを目指す人や駆け出しエンジニアの方に向けて、持つべき心構えとアドバイスをお願いします!
エンジニアに限りませんが、やってみなくちゃ何もわからないし、自分の適正を知るにも時間がかかります。そして、皆が平等に無くなっていくのは時間だけです。
1週間Webに進むかiOSをやるかで悩んだ末結局どちらもやらないよりも、例えば1日目にiOSをやって、難しくて2日目はWebに路線変更して、そちらも難しければiOSに戻って残り4日やり続ければ、4日間は丸ごとiOSに費やせますよね。
勉強にはお金がかかるので慎重になるのもわかりますが、まず本を買ってやってみるというのは良い投資だと思います。それからスクールを選んでも良いですしね。
色々言いましたが、「HTMLわかんない!」という人でもスパッとやめてiOSに行けば、「iOSは自分に合っていて楽しい!」みたいな僕のようなパターンもあるので…頑張ってやってみてください。
インタビューを終えて
働くのはお嫌いだと明言されつつ、現在に至るまでiOSアプリ開発にのめり込み続けていらっしゃるそのお姿に、崎山さんというエンジニアとしての愛を見た気がします。「画像処理の博士号」保持者という特殊なポジションながら、いつもプログラミングの面白さにシンプルに魅了され、ご自身をアップデートし続ける技術の第一人者崎山さん。初学者にとっての厳しい現実も隠すことなくお話してくださるところも頼りになりますね!本日は貴重なお話を頂き、本当にありがとうございました!
崎山圭さんの
Twitter… https://twitter.com/sakiyamaK
GitHub… https://github.com/sakiyamaK
Zenn… https://zenn.dev/sakiyamak/books
崎山さんの愛する奥様の
Instagram…
https://www.instagram.com/satomi_0819/?hl=ja (キャラクターフードアカウント)https://www.instagram.com/mugi_choco_mame_milk/?hl=ja (ペットのモルモットさんたちのアカウント)
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監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています