先行き不透明な経済状況の中でITエンジニア、特にiOSアプリを作るiOSエンジニアが注目を集めています。
自分のスキル一本で稼げる仕事であること、すでに巨大な市場が形成されていること、そして成長を続けていることなどが人気の理由です。
となれば最も気になるのは「年収」と「将来性」でしょう。
今回はiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」が独自に行った1000人以上の現役エンジニアへのアンケートなどから、iOSエンジニアのリアルな年収や今後の展望をご紹介します。
1481人のエンジニアに年収アンケートを実施
転職や副業を考える際に気になる年収について、iOSアカデミアでは独自にアンケートを行いました。
対象は1000名以上の現役エンジニア。リアルな数字を皆様にお届けします。
アンケートの概要
※ITエンジニア→WEBフロントエンド+WEBバックエンド+iOS+Androidエンジニア
※WEBエンジニア→WEBフロントエンド+WEBバックエンドエンジニア
※スマホアプリエンジニア→iOS+Androidエンジニア
スマホアプリエンジニアは希少である
総数1,481人に対して、Androidを含めたスマホアプリエンジニアはわずか11%の162人。Webエンジニアに対して希少な人材であると言えます。
一般的にWebサイトの方が開発の敷居が低かったこと、オンラインスクールなどもRubyなどWeb言語向けのものが多かったことなどが背景として挙げられます。
後に詳述しますが、iOSアプリの開発の敷居が下がったことや世の中がスマホファーストに切り替わっている流れの中でiOSエンジニアの需要は大きく伸びています。
市場が伸びているのに人材が希少である、年収が上がりやすい環境になっています。
スマホアプリエンジニアの中ではiOSアプリエンジニアが多い
全体では希少なスマホアプリエンジニアですが、その中で見ると162中105人がiOSアプリエンジニアと割合が高くなっています。
これは世界的に見てiPhoneのシェアが高い日本の独特な事情を反映しています。
大規模な事業など、iOSとAndroid版を同時に開発できる場合もありますが、「どちらか一つ」を選ぶ場合、必然的にシェアが高いiOSが選ばれます。
こういった背景もiOSエンジニアへの需要が大きい理由の一つです。
iOSエンジニアの年収データ
結論、iOSエンジニアはWebエンジニアに比べて年収が高い傾向にあります。
人件費も需要と供給のバランスによって決定されますので、ある意味当たり前の現象です。
実際のデータを見ていきましょう。
年収650万円以上の割合
まずは年収650万円以上の人の割合です。
日本の全体の平均給与は461万円(国税庁HPより)ですので、年収650万円は平均より41%高い水準になりますが、エンジニアでの割合は以下の通り。
・Webエンジニア 21.5%
・iOSエンジニア 32.6%
比較的高い割合でiOSエンジニアが高所得を得ていることがわかります。
また、平均付近である450万円以上を含めると実に64.2%に上ります。
副業にも相性の良い開発は「月に数万円分だけ受注している」というフリーランスも多く、そういった方を含めてのこの数字ですから、平均以上の年収を狙うのは全く難しくないと言えます。
年収1000万円以上の割合
続いて年収1000万円以上の方を見ていきましょう。
日本での年収1000万円はかなり高所得な部類になります。ファイナンシャルフィールドの記事によればその割合はわずか5%。
芸能人や経営者、スポーツ選手等を入れての5%ですから如何に稀有な存在かわかります。
気になるエンジニアでの割合は以下の通り。
・Webエンジニア 4.4%
・iOSエンジニア 13.5%
Webエンジニアの数字はほぼ日本全体の数字ですが、iOSエンジニアの数字は驚異の13.5%。全体の実に2.7倍です。
このことから、iOSエンジニアは年収1000万円以上も非常に狙いやすい魅力的な職業であることがわかります。
年齢層も大きなポイント
統計の世界では「平均は信用できない」のが常識です。
皆さんも自分の会社の平均給与と自分の明細を見比べて「ぜんぜん違う・・・」と思ったことがあるでしょう。
年功序列型賃金制度がまだ残る日本では、所得も年齢も高く人数も多い上の世代が平均を押し上げているという現象がよく見られます。
ところが、今回のアンケートの対象はその平均年齢自体がなんと31.5歳です。
一般的には「若いと稼げない」日本にありながら高い所得が狙えるのもiOSエンジニア。
若さを強みにしやすいのも大きな魅力です。
iOSエンジニアとして年収を上げるためには
未経験からiOSエンジニアを目指し、そして就職後も安定して年収を上げていくためにはいくつかのステップを踏んでいく必要があります。
1. SwiftとXcodeの基礎的な知識やスキルを習得
2. 基礎知識を使ってサンプルアプリなどをゼロから制作する応用学習
3. FirebaseやRealmなどサードパーティ製ライブラリの導入学習
4. 個人アプリ(ポートフォリオ)開発とApp Storeへの公開
5. ポートフォリオを使った就職活動
6. 就職後の就業時間以外や休日を使った継続的な学習とアウトプット
特に6の「継続的な学習とアウトプット」は、エンジニアとして年収を上げるために大切なポイントとなります。
具体的には下記の様なアウトプットをしていくと効果的です。
・QiitaやZennなど技術ブログへの記事投稿
・Github上で(個人アプリ開発を行うなどで)コミットを増やす(「草を生やす」と呼ばれる)
・TwitterなどのSNS上で情報発信
・connpassなどで勉強会に参加して登壇
・iOSDCやtry! Swiftなどのカンファレンスへの参加や登壇
・Udemyなどで講師として動画教材を投稿
・Youtubeなどで技術動画を投稿
優秀なエンジニアであってもネット上で不特定多数の人が閲覧できる情報が無ければ、その人の実力を図ることが難しくなります。
日頃から上記の様なアウトプットを継続することで社外などから採用のスカウトを受けたり、副業の依頼が舞い込んできたりする可能性が高くなるため、インプットだけに固着せずにアウトプットも併せて行っていくと年収を徐々に上げていくことが出来るでしょう。
もちろん、アウトプットをすることで所属している会社からの評価が上がる機会も増えるため、転職や副業をしなくても年収を上げることは可能です。
またアウトプットを続けることで将来的にはフリーランスになったり、自分で起業したりなどといった選択肢も出てくるため、中長期的に見ても恩恵があります。
iOSエンジニアの将来性
新しくスキルを習得するときには「今稼げるのか」という問題だけでなく、「これからも稼げるのか?」という視点が重要です。
かつて駅の改札で切符を切っていた駅員さんのように、「消滅するポジション」は世の中の流れに合わせて必ず発生するため、常に近未来予測が必要になります。
iOSエンジニアに対する需要は圧倒的
前述したとおり日本はとてもiPhoneのシェアが高い特殊な国です。
マイナビニュースの調査によると
世界シェア
iOS :27%
Android :72.2%
であるのに対し、
日本シェア
iOS :66%
Android :33.8%
とほぼ逆転現象が起こっています。 これはそのままiOSアプリ開発需要の大きさになりますので、現状の需要については疑問の余地は無いでしょう。
将来性については、iOSのシェアはここ数年横ばいが続いています。日本ではほぼスマホが行き渡り、シェアも落ち着いた印象です。
では頭打ちになるか?といえばそうではありません。
身の回りのサービスを見ていただければわかりますが、まだスマホアプリ化されてないサービスはたくさん存在しています。
Webアプリやホームページしか無いサービスも、これからスマホアプリ化を迫られます。
また、今後作られるサービスの多くはスマホファーストで設計されるでしょう。その場合に優先されるのは「iOS」であることは間違いありません。
更にiOSエンジニアの仕事は新規開発だけではありません。既存のサービスのアップデートや保守、機能追加など既存の仕事も残りつつ新しい仕事が増えていきます。
現在だけでなく将来的にも非常に需要が見込める職業であり、スキルです。
関連記事:iOSエンジニアの将来性を徹底調査!未来が明るい3つの理由
iOSエンジニアの年収についてよくある質問
ここでは受講生や一般の方から特に良く頂くご質問を2つご紹介します。
Q.未経験でも年収1000万円を目指せる?
A:目指せます。
iOSエンジニアは売り手市場です。iOSアカデミアで開発スキルを磨いたあとは、企業に入社して実践を通してのスキルアップが可能です。
給料を得ながら勉強ができ、より高い収入が得られるポジションへの転職も十分に狙える職業です。
Q.独立したほうが年収は高くなる?
A:上がる可能性は大いにあります。
iOSエンジニアは副業や独立・起業ととても相性の良い職業です。
実際にアンケート結果を見ると、高い収入を得ているのは独立したフリーランスの方が多いようです。
営業や経理などプログラミング以外で求められるスキルもありますが、そのあたりをクリアできれば年収2000万円以上のケースも。
実際に独立するかしないかは別として、独立するつもりでスキルアップを続けていけば自然と収入は上がっていくでしょう。
また会社員をしながら副業という形で稼ぎやすいのも、iOSエンジニアの魅力の一つです。
副業を育て、十分稼げる力がついてから独立することで最大限のリスクヘッジが可能になります。
まとめ
今回はiOSエンジニアのリアルな年収や将来性、その年収の上げ方などをご紹介しました。
ところで、これだけ魅力的なiOSエンジニアの人数が少ないのはなぜでしょうか?
それは「未経験からiOSエンジニアになるための情報が少ない」からです。
そもそもAppleがiPhoneを最初に発売したのは2007年ですが、広く普及し始めたのは2010年頃となります。
そのためまだ十数年程度と歴史が浅く、更に昨今のプログラミングスクールは9割以上がWEBエンジニア向けのため、iOSエンジニアになるための情報はとても少ないのです。
世の中でまだ一般的とは言えないiOSエンジニアですが、これからの将来性の高さや市場価値などを考えると「今から目指すのがベストなタイミング」であると言えます。
これから市場価値の高いエンジニアになるなら、iOSエンジニアを目指すのも選択肢の一つかもしれません。
そこで利用をオススメしたいのがiOSエンジニア専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」。
スマホアプリ開発者の中でも、更に需要の高いiOSアプリに特化したiOSアカデミアだからこそ蓄積している豊富なノウハウを元に、アプリ開発をサポート。
学習計画や作るアプリのアイディアの相談から講師がアドバイスをしますし、アプリが完成した後の就職までフォローさせていただきますので、安心して学習を進められます。
今なら現役エンジニアが無料相談を受け付けていますので、スマホアプリ開発について相談したいことがあれば、お気軽にお問い合わせください。
監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています