フリーランスiOSエンジニアになって失敗しないための4つの準備
最近にわかに注目が高まっているiOSエンジニア。
その大きな理由の一つに「フリーランスになりやすい」という点が挙げられます。
在宅ワークの普及、地方へのU/Iターン、終身雇用制度の終焉など社会情勢的にもフリーランスは存在感を増しています。
一方案件の獲得方法や、実際の年収がどのくらいになるのか、失敗するのでは?という不安もつきまといます。
今回はiOSエンジニア専門のオンラインプログラミングスクールであるiOSアカデミアより、iOSエンジニアとしてフリーランスになるメリット・デメリット、実際の年収や失敗しないための準備についてご紹介します。
会社員と徹底比較!フリーランスiOSエンジニアのメリット・デメリット
会社員とフリーランスを比較すると、端的には会社員は安定感があり、フリーランスは自由やより高い収入を目指せると言えます。
ここをより深く掘り下げてみましょう。
フリーランスiOSエンジニアのメリット
もともとフリーランスとの相性が良いiOSエンジニアという職業では、フリーランスになった場合のメリットも大きいです。大きなポイント2つをご紹介します。
年収があがる
会社員時代と同じ稼働率を確保できれば、という条件付きにはなりますが、傾向として年収は上がります。
仕事を取るのは簡単なことではありませんが、売り手市場であるiOSエンジニアは比較的仕事を取りやすい環境にあります。
この場合、年収の相場観で1.5~2倍の増加が見込めます。
なぜでしょうか。
企業が社員を雇う場合、以下のような社員側から見えないコストが大きくかかっています。
- 福利厚生
- 社会保険
- 採用コスト
また、経理、総務、法務などのバックオフィスの経費や、事務所家賃などの間接経費もあります。
フリーランスで仕事を受ける場合は、こういったコストに加えて、会社の利益分も個人に入ってくるため収入が増加するわけです。
フリーランスになるメリットの最も大きな点は、この収入アップと言えるでしょう。
自分で案件を選べる
「仕事が選べる」というのも特にiOSエンジニアにとっては魅力的です。
一生勉強の連続であるエンジニアにとっては、実際の案件で触れる技術はとても重要です。
出来ることばかりやっていてもスキルは伸びませんし、飽きもくるでしょう。
- 開発するアプリ、サービス
- 使う技術
を自分で選ぶことで、流行に沿った領域で経験を積むことが出来ます。将来的な自分の市場価値を高めることにも繋がります。
フリーランスiOSエンジニアのデメリット
物事はメリットだけ、とはいかないのが世の常ですが、やはりフリーランスにはデメリットもあります。こちらも大きなポイント2つを見ていきましょう。
案件が途切れる可能性がある
iOSエンジニアは複数案件を同時進行することはあまり多くありません。メインの案件が一つあり、サブの案件があるかないかといったところ。
ある案件が終わったときに、仕事が途切れる=収入が途切れる可能性があるということです。
会社員であれば会社が取ってきた別の案件にアサインされるでしょうし、万一仕事がなくても基本的な給料は保証されます。
終わる予定のなかった案件でもサービスの終了や、体制の変更など、不可抗力で突然なくなることもありえます。
案件が常に回ってくるような仕組みを作っていくことや、一つの発注元に依存しすぎないといった工夫を日頃からしておくことが重要です。
自己管理が大変
一般のフリーランスにも言えることですが、仕事をする時間や場所の自由度が高いiOSエンジニアは更に高い自己管理能力が求められます。
会社員のときは当たり前であった、「会社からの強制力」がなくなってモチベーションが低下してしまうことも。
iOSエンジニアは仕事だけでなく、日々新しく生まれてくる新しい技術の勉強も必要です。働く時間・リズムを決めて、しっかり自分を律していくことが必要です。
フリーランスiOSエンジニアに向いているのはこんな人
iOSエンジニアに限らず、フリーランスには「向いている人、向かない人」が存在します。
ここでは、特にどんな人がフリーランスiOSエンジニアに向いているのかご紹介します。
自分で営業する意思のある人
売り手市場であるiOSエンジニアで、会社に属していれば案件に困ることはあまりないでしょう。
これは会社の営業部門や看板が仕事を取ってきてくれていたからで、フリーランスになれば自分で仕事を取って来る必要があります。
営業はとても重要で、年収においては「営業力>エンジニアとしてのスキル」と言う図式になる可能性も大いにありえます。
会社員の段階から自分が営業に向いているのかどうか、営業をする意思があるのかを常に考えておきましょう。
エンジニアをしながら営業のスキルを身につけることは難しいですが、「営業が大切」という意識を持ち続けるだけでも大きな違いになります。
セルフマネジメントができる人
こちらも必須能力です。すべてが自分次第になるフリーランスでは、セルフマネジメントが出来ないと致命的になりかねません。
進捗管理、タスク管理、工数管理など直接的な仕事の管理だけでなく、自身の体調管理やプライベートとのスケジュール管理も大切です。
会社員時代から、自ら工程や工数、予算の管理を考えつつ、セルフマネジメント能力も磨いていきましょう。
責任をもって仕事ができる人
当たり前のことに聞こえますが、強制力を失った人間は意外と弱いものです。
フリーランスとなれば仕事のすべてが自己責任。逃げ出したところで叱ってくれる上司はいませんし、連絡を絶ってしまえばクライアントから叱責を受けることもありません。
だからこそ、社会人として、プロとして責任を持って最後まで仕事をやりきることが重要です。
納期を守る、きちんと最後までやりきる、可能な範囲で柔軟に対応するなど。当たり前のことを当たり前にやりきることが信用に繋がり、次の仕事に繋がっていきます。
フリーランスiOSエンジニアが案件を獲得する方法
何事も一番難しいのはゼロを1にする段階です。フリーランスで言えば最初の案件を獲得するところ。
ところでフリーランスiOSエンジニアはどうやって案件を獲得するのでしょうか?
大きな柱3つをご紹介します。
直営業
営業と聞いてまずイメージするのは直営業ではないでしょうか。
仕事を持っている企業や個人から直接仕事が取れれば、中間マージンもなく利益を増やしやすくなります。
営業方法としては、自らコーポレートサイトへ直接DMをしたり、SNSを使って能動的に営業メッセージを送るなど様々な手法があります。
また、中間マージンが発生しないという意味では、友人・知人からの紹介も重要なルートです。日頃から周りの人にフリーランスエンジニアで有ることをアピールしておくのも良いでしょう。
エンジニアの売り物は自らの技術です。直営業にて自分を売り込むのは営業の基本となります。
採用プラットフォーム
Wantedlyなどの採用プラットフォームの利用も有力です。
直営業とは違うものの、プロフィールページを充実させることでスカウトを増やすなど、マーケティング能力も試されます。
エンジニアを探している企業がプロフィールを見て魅力的だと感じてくれれば受注に繋がります。
自分を正確かつ魅力的に見せる能力はフリーランスにとっては大きな武器になります。こういった活動を通して磨いていきましょう。
エージェントを利用する
レバテックフリーランス、ギークジョブスなどのエージェントを利用する方法も考えられます。
マージンは発生しますが、営業をプロに任せるという意味では会社員の時に近い働き方が可能になります。
ここでもエージェントに対しての自己アピール能力が求められます。
どの方法を実際に使うべきか?
結論としては、「すべてやる」です。
営業の間口は広ければ広いほど良く、より良い案件を選びやすくなります。
もちろんエージェント経由などは中間マージンが発生します。直営業の方が利益率は高くなりますが、マージン込みで自分が納得する金額の案件を選ぶことで問題はなくなります。
営業に限らず、フリーランスでは「やれることはすべてやる」マインドが重要です。
フリーランスiOSエンジニアになって失敗しないための4つの準備
実際にフリーランスになったときに失敗しないように、事前に準備しておくべき4つのポイントをご紹介します。
会社員のときからこういった点を意識しておくかどうかで、後のフリーランス生活が大きく変わります。できるだけ早い段階から意識を向けておきましょう。
実務経験を1年半以上積む
エンジニアのコアスキルはなんと言っても技術です。
ここがしっかりしていないと案件獲得も難しくなります。あくまで目安ですが、最低でも実務経験を1年半は積んでからフリーランスに移行しましょう。
実務経験がこれに満たないとどうしても案件が獲得しづらく、また本人としても不安を抱えたままの船出となってしまいます。
まずはキッチリ最低でも1年半、日々の業務で自分を成長させましょう。
案件獲得の手法を確立しておく
前項でご紹介した案件獲得方法3つをすべて会社員の段階で試しましょう。
目安として、2~4週間程度で案件がとれるレベルであれば独立しても問題ありません。もし3~4ヶ月営業活動をしても案件が決まらない場合は再考が必要です。
スキルそのもの、営業手法、コミュニケーション能力など、どこかで決定的に不足している可能性が考えられます。
焦って独立するのではなく、まずは自分を見極め、不足している部分を補うことを優先しましょう。
案件を獲得しておく
会社を辞めてから案件を探すのではなく、案件を決めてから辞めることで安全性を高められます。
フリーランスとして仕事を始めた初期は、初めてのことの連続です。
まずは一つの仕事を完結させて学べることも多いので、最初の案件を決めてから会社を辞められることは大きなアドバンテージにもなります。
また、フリーランスは慣れるまで大きなプレッシャーが掛かります。最初の1件が決まっていることは精神衛生上にも大きなプラスになるでしょう。
貯金をしておく
フリーランスにとって貯金は文字通り命綱です。
会社員には用意されている有給休暇や失業保険などのセーフティネットが、原則フリーランスにはありません。
明日収入が途絶えてしまっても営業活動や転職活動ができるよう、少なくとも半年分の生活費は常に貯金として確保しておきましょう。
こちらも精神衛生上のメリットが大きく、あるのとないのとでは大きな違いになります。
「貧すれば鈍する」と言いますが、貯金がないことで追い詰められ、あまり好ましくない案件も受けるようになると本末転倒です。
心の余裕を持つためにも、貯金はしっかりしておきましょう。
フリーランスのiOSエンジニアによくある質問
良く寄せられる質問をQ&A方式でご紹介します。実際にフリーランスになる前に疑問点は解消しておきましょう。
Q.未経験でもなれますか?
A: iOSアカデミアの代表自身がそうでしたので不可能ではありません。ですが、実績がない自分を売り込む必要があるので、まず営業面で苦労します。
基本的には本文中にある通り、最低1年半の実務経験を積むのが好ましいでしょう。
Q.在宅の仕事はありますか?
A: 新型コロナの影響もあり、ざっくりとですが9割の仕事は在宅になっています。
ただ、会社員の仕事も在宅に切り替わってきていますので、フリーランス=在宅という図式ではないことに注意が必要です。
Q.フリーランスになるのは年齢は何歳まで大丈夫ですか?
A: 40歳を超えると、フリーランスのメリットが享受できなくなる傾向にあります。
例えば、通常であれば経験年数が長くなるにつれて案件報酬は高くなる傾向にありますが、10年程度を超えると頭打ちになってしまい、正社員と収入が変わらなくなることもあり得ます。
そのため、40歳以上の方であれば会社員でいることのメリットの方が多いでしょう。
一方若い分にはデメリットはあまりありませんので、ある程度自立できているのであれば、何歳でも問題ないと言えます。
Q.40歳以上のフリーランスのキャリアはどうなる?
A: 40歳を過ぎるとプログラマ(現場でコードを書く人)としての収入が頭打ちになるため、単にコードを書く以外の価値を発揮する必要が出てきます。
選択肢を大きく分けると「正社員としての再就職」と「法人化」の2種類があります。
前者の場合は、VPoE(エンジニアチームビルディングを管理する人)やCTO(最高技術責任者)などのエンジニア管理職に就くことなどが考えられるでしょう。
後者の場合は、法人化して社員を雇い入れ、受託開発や自社サービス開発などを行うなどがあります。
まとめ
今回は、
- フリーランスiOSエンジニアになることのメリット/デメリット
- 向いている人はこんな人
- 案件を獲得する方法
- 失敗しないための4つの準備
をご紹介いたしました。
生活する場所やスタイルを自分で決められるフリーランスには大きな魅力がある一方、会社員には求められない重要なスキル・能力も存在します。
本記事を参考に、少しでも理想の人生に近づけていただければ幸いです。
監修者
-
エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています
最新記事
日本で唯一のiOSエンジニア専門スクール「iOSアカデミア」では、iOSエンジニアになるためのノウハウを完備!
現役エンジニアが受講生のスキル・メンタルをマンツーマンでサポートするほか、就職までのロードマップも用意しているので、未経験者でも安心して学習していただけます。
未経験からiOSエンジニアになった卒業生もたくさんいますので、興味のある方はぜひ一度無料個別相談を受けてください!