SIer出身のフルスタックエンジニア!(株)アルカディット代表いぬっちさんの見る未来
今回は、新卒でSIerでのキャリアをスタートされ、以来多岐にわたる言語・キャリア形態を網羅され、今はiOSアプリ開発エンジニアとして活躍される株式会社アルカディット代表、いぬっちさんがご登場です!エンジニアとして“全部載せ”のようなご経験からiOSとのご縁、アプリ開発に惹かれる魅力などについて詳しく伺います!
プロフィール:
いぬっち:以下「いぬっちさん」
本名「犬島武彦」さん。SIerからベンチャーへ、その後フリーエンジニアへとご転身の後、法人化して「株式会社アルカディット」をご設立。金融系SEからRailsエンジニアを経て、最近はモバイルアプリのご開発がメイン。二児のパパでもいらっしゃいます。詳しくは本インタビューにて!
インタビュワー:
スキル“全部載せ”エンジニアいぬっちさんとは
―――早速ご紹介します!いぬっちさんです!
こんにちは、iOSエンジニアのいぬっちです。今日はよろしくお願いします。
―――いぬっちさん、多様なご経歴がある中で、まずiOSアプリ開発に至られたご経緯を伺えますか?
はい、僕は新卒でSIerにシステムエンジニアとして入社して以来、15年以上開発を続けています。SIerの後はフィンテック系ベンチャーに転職、主にFX・株式等のシステム開発を行い、プロジェクトマネージャー等のポジションも一通り経験してビジネスの勘所を押さえた後、フリーランスへ転向しました。
SIer時代のJavaに加えて、それ以降はRuby on RailsやPHP等のWeb系も触りながら、受注元であるお客様からiOSもやってみませんかとお声掛けを頂いたことがきっかけで、アプリ開発にも参入するようになりました。
―――なんと!お客様からお誘いいただいてのご参入だったのですね!?
はい、当時案件で関わりのあったエンジニア全員で3ヶ月ほど社内のiOS専門部署の方々の助けを借りつつ、依頼された本業務と並行してiOSを実務で学んで徐々にシフトしていきました。「君たちならできるだろう」と任されてしまって…(笑)
―――フルスタックエンジニアとしてのご信頼が伺えます。
―――「株式会社アルカディット」ご設立の経緯も教えてください!
株式会社アルカディットは、フリーランス時代に本業のエンジニアリングと並行してSEOメディア運営をしていて、そちらの収益が上がり、本業の収入と合わせて個人名義のままでは税金面などで不利が多くなる段階まできた段階で設立しました。
―――事業内容は何でしょうか?
メディア事業はそちらを専門にされる企業も居るので、今会社でベースにしているのは「開発」です。今までフリーランスで受けてきたのと同様、委託業務を受けています。手が回らないときには昔お世話になったエンジニアさんに手伝って貰ったりもしています。
―――どういう案件が多いor今後増やして行きたいですか?
Webサービスからアプリを展開するような案件が増えています。Webでユーザーを取り込んでアプリに流し込む形や、Webからアプリを使ってリピーターになる人が多いので、案件の総数も増えています。
自分はWebとアプリの両方をやってきたので、そこでは強みが生かせます。アプリを開発して一発当てようというよりは、組み合わせて勝負するスタイルですね。
今後は、開発とメディア事業とを組み合わせていきたいと考えていて、これまでのメディア事業の経験を活かしながら徐々に案件数を増やして行きたいと思っています。
単純なメディア運営ではなくWebサービスやアプリと連携したものを作っていけたらなと。事業を行う以上、何かに特化していく必要はありますね。
―――フリーランス時代と今を比較して、働きやすさはどう変化しましたか?
法人化した今の方が、以前より働きやすくなったと思います。事業を維持しつつ、拡張しつつができるので。基本的に、僕達の職種や年代は「定年退職」という概念はなくて、ずっと働く方向性だと思っています。
なので、自分のタイミングで自分のやりたいことを続けられる器を作っていく過程という意味でも、現状うまくやれているのかなと。あと、法人の方が何かを依頼してくださる場面でも、こちらも法人であれば信頼を得やすいですしね。
ワンマンプレーからエンジニア育成へ
―――いぬっちさん、必要なものを都度調達されて無双されてきた感じが凄いです。
僕は新しい物事が好きなので、同じことをずっとしていると飽きてしまうんです。エンジニアとしても未だに新しいことを学び続けていて、去年と今とでやっていることも全然違います。
技術は常に進歩していくので、それにキャッチアップするだけでなく能動的に学んでいくことはとても大切です。だから、この新しい物好きの性格が功を奏しているかもしれませんね。
―――常にアンテナを張って、必要な要素を集めてこられた結果ですね。
スキルが向上したり対応可能な業務が増えることで、それまで掲げてきた方向性が変わるという側面もあります。
元々僕は、それまでとは違うことをやりたくて、そして一人で全てをやりたかったのでフリーランスになりました。でも、やれること・やりたいことが増えるにしたがって「自分一人で出来ることは限られている」ということにも徐々に気付きました。
気付いてからは、自分だけでなく「エンジニアを増やしたい」と考えて、委託先でもエンジニアの育成やスキル向上に携わるようになったんです。
―――今に繋がる布石が見える気がする…「エンジニアを増やしたい」について詳しくお願いします。
フリーランス時代、一人で仕事を受けていた時、4案件ほどで頭打ちになりました。一時的には乗り切れても、継続するのは難しいので、これからは自分以外の人にもやってもらえる「仕組み」を作ろう、と思いました。僕自身、家庭もあり子供もまだ幼いので、自分が動ける時間は独身の時に比べると制限されてきていますしね。
―――仕組みというと、先ほどの「エンジニアの育成やスキル向上」でしょうか?
そうです。会社員時代から新入社員指導をする機会もあり、人が成長する様を見るのは楽しいと知っていましたし、委託先でiOSエンジニアのメンタリングを担当したりもしています。
だから正直な気持ちを言うと、今はとにかく、エンジニア仲間が欲しい!大きな仕事をするにもやはり人は必要です。人が増えて現在リソース不足の開発も円滑に回るようになったら、温めているサービス等をやっていきたいなと考えています。
―――先ほどお話頂いた「開発とメディア事業」ですね。楽しみです。
iOSアプリ開発の“他にはない”面白さ
―――開発自体の面白さについてもお聞きします!まずはいぬっちさん、iOSアプリは開発されていて面白いですか?
アプリ、僕は好きですね。
―――即答だ!遡ってお聞きしたいですが、iOS以前の「プログラミング」についても素養が豊かでいらっしゃる印象です。プログラミングは、いつから始められたのでしょうか。
大学では心理学専攻でしたが、当時からプログラミングに興味はありましたし、趣味でプログラムを作るくらいのことをしていました。学部が比較的統計やデータを重んじる方針だったこともあり、同期でもIT系就職者は複数居ました。
僕自身も「どうせなら興味があることをやろう」と考えて、広く開発の全工程に関われそうなSIerを選びました。
新卒入社した先のSIer企業で3ヶ月ほど社内教育を受けて、チームに分かれて開発を行う場面がありました。その時点で、「プレゼンを行う人」と「プログラムを作る人」というような役割分担が生まれて、「自分は作る側に向いているんだな」とひしひし感じていました。
―――プログラミングに見出された人だ!
―――「iOS」に限った魅力は何でしょうか?
エンドユーザーから見て、アプリで比較すると圧倒的にiOSは使いやすいということです。ユーザーの為にエンジニアが頑張る必要があるということではありますが(笑)
例えば、Appleのプラットフォームはとてもよく考えられていて、UIがWebと比較してユーザーの使い勝手を追求できる点で優れています。Webはそもそもアプリケーション用のプログラムではないので、できることは幅広いですが、やはり使い勝手ではiOSが強いです。
―――エンジニアが頑張る必要がある、ということでしたが、開発サイドから見た「iOS」はやはり難易度が高いでしょうか。
例えば環境構築については、Webの方が快適でストレスを感じることが少ないのではないかと思います。Webではプログラムを書けばそれをすぐ動かせます。対してiOSの場合、最近は軽減されましたが、UIKitで一度書いたものをビルドする必要がありますし、Xcodeの使い勝手も独特だしで、慣れるまでは苦労するかもしれません。
処理については、Webではリクエストが飛んでサーバーが値を返すといった一直線の流れですが、iOSは色々な処理が同時に起きるイメージです。様々なプログラムが並行して動くので並列プログラミングとも言います。ですから、プログラミングするときにはそういう部分も意識する必要もあります。
このような難しさはありますが、それこそがWebにはないiOS特有の面白さですし、開発で色々なことをやりたい人にとっては、iOSはまさに最適だと思います。
―――「開発で色々なことをやりたい」というと、いぬっちさんのようにでしょうか。
僕もそうですね。指向性にもよりますが、Web開発の場合、担当がフロントエンド、サーバーサイド、バックエンドといったように細分化されがちです。
iOSの場合、エンジニア一人で企画段階でのフワッとした要件を設計に落とし込んでリリースするところまで出来てしまいます。その分デザイン等の基礎や原則を知っていないと困ることもあります。
デザインはデザイナーが担当することもありますが、アプリの規模によっては依頼元から「Webを参照してよろしくやってください」と指示を出されることも多いです。なので、開発以外のデザインや企画もやりたい人や、UIを実現したい人にとって、iOSはすごく向いています。
このような理由から、「開発で色々なことをやりたい」つまり個人開発をやりたいという人にもぴったりなのがiOSです。Webならバックエンドからフロントエンドまで出来ないとリリースに至れませんが、iOSなら「一人で」できますから。
―――必然的に全てできるようになるという感じでしょうか。
はい。他にも、iOSのデバイスに近い知識も必要です。Webでは隠ぺいされている部分もiOSアプリ開発をするなら知っておく必要がありますし、そういう意味では、マシン寄りの知識に興味がある人にとってもiOSはおすすめです。
―――Swiftという言語はどう評価しますか?
Webエンジニアからスタートしてスクリプト言語だけをやってきた人にとっては、もしかすると入りづらいかもしれません。ただ、JavaとSwiftは言語として結構近い部分があるので、SIerでJavaから入った人などにとってはやりやすい言語です。Android(Kotlin)にもJavaが使われているなど、言語としてはかなり似た部分があります。
駆け出しエンジニアが成長するために
―――いぬっちさんがiOSエンジニアとしてのキャリアを成功させられた秘訣は何でしょうか?
自分は、わからないところでもコミュニケーションを取りながら自分で進められるという所を買って貰えたのかなと思います。一人でプログラミングを学ぶというよりも、実務を通してやるのが一番でしたし、そのチャンスにも恵まれました。
ただ、そもそもiOSエンジニア自体数が少ないのも良かった点だと思います。エンジニアとして経験のある人でも、アプリの開発はしたことがないという人は多いので、経験があるアプリエンジニアなら当面仕事に困ることは無いと思いますよ。
―――最初の開発経験を積むまでには、何が大切でしょうか。
経験者なら、チャンスを待つのも有りだとは思います。未経験からiOSエンジニアに就職される人も居ますが、その場合はアプリをリリースされていることが説得力になりますね。
独学でやると実務で使うものとはかけ離れたコードになりがちなので、アプリリリースの際には、実務に携わっている人にコードをレビューしてもらいながら公開することをお勧めします。採用する側としても、そうでないと不安が残ります。
―――どういうiOSエンジニアが増えてほしいですか?
欲を言うと、実務で使うスキルセットを網羅しているのがベストです(笑)。が、そこまでのエンジニアさんは現状探すのがとても大変なので、せめてAppleが推奨する作り方を体得している人が良いですね。
姿勢でいうと、わからないところがあった時、わからないなりに自分で言語化して有識者に聞いて、何とかしていくということは必要です。もちろん自分一人で頑張るのも大事ですが、組織では、人の力を借りながらでも成長して行けるタイプが重宝されやすいと思います。
これは僕自身も最初上手にできなかった部分ではありますが、フリーランスでは納期との戦いもあるので、新規参入する箇所は説明をして手間を省く、アプリの場合はAPIを連携するとき概要だけを説明して専門の方に実装してもらう、といったことは意識しています。
―――頼る力、必要ですよね…。
―――最後に、駆け出しエンジニアの方々に向けて、アドバイスをお願いします!
先ほどもお話したように、中途からエンジニアになりたい人は多いですが、iOSエンジニア志望は意外と少ないので、やる気があればチャンスにも巡り合える環境が揃っています。案件は多く、資本も投下されているのに、現状人は足りていません。
アプリ開発では、少人数で開発するぶん一人一人への責任は重くなりますし、試行錯誤して開発してリリースに持っていかなくてはなりません。その意味では、知り合いを使ったり時には教えを請いながらでも「やり切る」ことが重要です。
一方、ユーザーのインターフェースに興味がある人なら、iOSアプリ開発は基本的に向いていると思います。アプリリリースは実務経歴にもなりますし、そういう実績は意外と積みやすい。DL数など目に見える指標があるので、企業から望まれる人材にもなりやすいと思います。
―――iOSエンジニアとして今後いぬっちさんと一緒にアプリ開発を行うチャンスもありますか?
もちろんです!優秀なエンジニアさん、ぜひうちに来てください。今後もお仕事は沢山ありますので。やる気のある方は常に募集しています!
インタビューを終えて
必要なスキルや知識は、何であれ全力で身に付けていらした結果、現在は法人を設立され「働きやすくなった」実感と共にエンジニアを育てたいというあらたな目標も掲げて邁進されるいぬっちさん。常に新しいものに目を向け、アイディアを形にしてゆくお姿に無限のバイタリティを感じます。本日は貴重なお話を頂き、誠にありがとうございました!
いぬっちさんの…
会社HP
iOSエンジニアになりたい方に向けて
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監修者
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エンジニア経験0の状態から1年間独学で勉強して独立
さまざまなiOSアプリの開発に携わる
2021年6月にiOS専門のオンラインプログラミングスクール「iOSアカデミア」を開校。iOSエンジニアを目指す人のサポートにも力を入れています
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